津液

身体を構成する生理物質の詳細 第4弾!最後の登場は津液(しんえき)。
東洋医学では体内の水分の総称で、津・液に分かれ、身体を隅々まで潤しています。
・津=澄んで粘り気の無いサラサラした体液。体温調整に関連して、体表部を潤す。
・液=津より重濁&粘性のある体液。体内の髄・骨、体表部の粘膜を潤す。


(ナツメ社 東洋医学の教科書より)
飲食物から水穀の精微が生成される際、水穀から分離された水分が津液となり、脾の昇清作用で肺に持ち上げられ、肺の宣発・粛降作用で全身に拡散されます。
全身を巡った後は、腎のコントロールで膀胱に貯蔵され尿として排出されます。

津液には大きく分けて3つの生理的な機能があります。
1)関節を滑らかに動かす作用
関節の周囲に津液が溜まり、関節の動きをサポートする
2)骨髄・脳髄を潤す作用
津液は栄養分も含むため、潤すと同時に滋養作用も果たす
3)五液を生成する作用
体表面の津液を五液と呼び、それぞれ関連する五臓の作用で生成される
汗=心、鼻水=肺、涙=肝、よだれ=脾、つば=腎

津液の不足や滞りは、身体の乾燥や、痰・湿といった病態を生じさせます。
津液の不調は内燥、内湿、湿熱に大別されます。
〇内燥:津液の生成不足、過剰な消耗などにより、津液が不足した状態
肌や髪の乾燥
粘液の乾燥による喉・鼻・口の渇き、声枯れ、
関節の津液不足による関節異常
〇内湿:津液が部分的に過剰になり、滞った状態
胃内に水分が溜まる事によるめまいや吐き気
腹部に溜まり張感による食欲不振や浮腫み
湿は下に溜まりやすいため足のむくみ
〇湿熱:湿が長期にわたったり、外邪や病的な熱と結びついて熱を帯びた状態。
体内の陽が過剰になり熱が強まるため、暑がり汗をかく。
熱は上に上がるため顔のほてり、吹き出物炎症が生じる。
湿と結びついた熱が下半身に留まり、大腸・膀胱の炎症を引き起こす。

花粉症も津液とかかわりが深い病症です。
花粉症にお灸をお薦めする事が多いのは、湿気を飛ばすのに火が最適だから👍です。

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