東洋医学診断の概念

東洋医学の診断で最も重要としている概念が虚実です。

虚:エネルギー不足、機能低下
実:邪気が旺盛、生理物質などの停滞 を示します。
実際の診察では、身体全体としての虚実 → 身体各部分や気・脈・陰陽などの虚実 を判断します。
東洋医学は平衡・調和がとれた状態を健康としますので、治療は補虚瀉実と言い、間違ってはいけない重要な原則とされています。
虚=補法(不足を補う)、実=瀉法(邪を取る、停滞を解消する)

東洋医学的な診断でもう一つ大事な考え方が「本」と「標」です。

本:病気の本質的な病態
標:結果として表に現れる症状 を指します。
例えば、体力が低下した人が風邪をひいて発熱した場合、本=体力低下、標=風邪(ふうじゃ)の侵襲、発熱 となります。
西洋医学では、「標」に対する治療を行いますが、東洋医学ではまず「本」に対しての治療を行うのが原則ですが、
標本同治(標本同じく治す)、または急則治標、緩則治本(急なれば則ち標を治し、緩なれば則ち本を治す)とも言われます。
これは標と本は同時に治療する事が多いが、急性で激しい症状の場合はまず標を治療し、症状が穏やかで急を要さなければ本の治療を行うという意味です。

今まで何回かに分けて東洋医学の概念をお伝えして来ました。
我々の治療は、これらの概念を患者様一人一人の症状、体力などを考慮して、組み合わせて行っています。

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